輸送理論(読み)ゆそうりろん(英語表記)transport theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「輸送理論」の意味・わかりやすい解説

輸送理論
ゆそうりろん
transport theory

熱伝導,運動量,物質などの輸送現象を微視的立場から論じる理論。これらは分子の運動に伴って,それぞれエネルギー,運動量,物質が分子間の衝突を通じて輸送される現象であって,最初は簡単な分子運動論によって論じられたが,L.ボルツマンが分子衝突による分布関数の時間的変化を表わすボルツマン方程式を導き出し,この方程式に従って論じられるようになった。現在では,これを発展させた非平衡状態の統計力学の線形応答理論として一般論が展開されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android