辰巳婦言(読み)たつみふげん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「辰巳婦言」の意味・わかりやすい解説

辰巳婦言
たつみふげん

洒落本式亭三馬作。1冊。寛政 10 (1798) 年刊。角書に「石場妓談」とあるように,江戸の遊里深川古石場を舞台とする。おとまという遊女に,藤兵衛,喜之助,長五郎という3人の客を配し,おのおのの手管 (てくだ) の知恵比べを,時間設定も朝,昼,宵とずらして書き分けている。三馬の洒落本中の初作だが,山東京伝の影響が大きい。文化3 (1806) 年刊『船頭深話』,同4年刊『船頭部屋』はこの書の続編である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android