農事法[古代ローマ](読み)のうじほう[こだいローマ](英語表記)Lex Agraria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「農事法[古代ローマ]」の意味・わかりやすい解説

農事法[古代ローマ]
のうじほう[こだいローマ]
Lex Agraria

公有地配分に関する法律。古代ローマの共和政期には 40以上が知られ,いずれもくじによる個人,共同体への土地配分が定められている。代表的なものは前 232年ガリアの土地を貧民に配分したフラミニウス法,グラックス兄弟による土地法がある。特に後者土地所有の不均衡による共同体の分解を阻止すべく,公有地先占を1人 500ユゲラに押え,増加没収地を貧民に配分するという画期的なものであったが,反対派によって廃止され,前 111年の土地法によって私的土地所有の進展,すなわち共同体の分解が承認されるにいたった。またネルウァ帝の農事法もグラックスにならい,貧民に皇帝領をくじで配分するものであった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android