農地・水・環境保全向上対策(読み)のうちみずかんきょうほぜんこうじょうたいさく

知恵蔵 の解説

農地・水・環境保全向上対策

品目横断的経営安定対策、米政策改革推進対策とともに「経営所得安定対策等大綱」(2005年10月)に盛り込まれた農政改革の1分野で、07年4月から具体的な事業が始まった。農地、水、環境といった農村地域資源の保全と質的向上を目的とする地域共同活動に必要な費用を国と地方自治体が支援する。体制要件と活動要件を満たす必要がある。体制要件として、活動組織が農業者だけでなく、広範な地域住民、自治会、学校、NPO法人など幅広いメンバーから構成されていること、市町村との間で協定を締結していること、活動要件として、国の定める「地域活動指針」のうち、「基礎部分」の全項目と「誘導部分」項目の一定割合を実施することが定められている。非農業者を含む広範な人々や組織が農村地域資源の保全・向上活動に参加することが特徴。共同活動の支援を受ける地域が、環境保全型農業に取り組むと先進的営農支援を追加的に受けることができる。ただし、地域内生産者の5割以上が取り組んでいるか、作物栽培面積の2割以上が環境保全型農業で、かつ生産者の3割以上が取り組んでいるか、どちらかの基準を満たすこと、及び地域内の農業者全体が堆肥(たいひ)散布などの環境負荷低減に取り組むこと、の2点が条件として必要。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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