農政審議会(読み)のうせいしんぎかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「農政審議会」の意味・わかりやすい解説

農政審議会
のうせいしんぎかい

1961年(昭和36)に農業基本法に基づいて設けられた農政に関する諮問機関。99年(平成11)7月、農業基本法が廃止され、新たに食料・農業・農村基本法(新農業基本法、平成11年法律第106号)が制定されたのに伴い、食料・農業・農村政策審議会が設置され、農政審議会は廃止された。

 それまでは農業の動向に関する年次報告などの基礎となる統計の利用および政府の所見(旧農業基本法6条)、重要農産物需要および生産の長期見通し、またはこれの改定(同法8条)、重要農産物の価格安定対策の検討(同法11条)にあたっては、政府は農政審議会の意見を聞かなければならなかった。また、これら法律でとくに定められた事項のほか、内閣総理大臣農林水産大臣または関係各大臣の諮問に応じ、農業基本法の施行に関する重要事項について調査審議し、自主的に意見を述べることができるとされていた。

 1961年の設立当初は総理府に所属していたが、84年に農林水産省移管された。審議会の委員は15人以内で、学識経験のある者のうちから、農林水産大臣の申し出により内閣総理大臣が任命し、非常勤である。任期は農政審議会令によって2年と定められていた。

[北出俊昭]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「農政審議会」の意味・わかりやすい解説

農政審議会
のうせいしんぎかい

農業基本法に基づき,農業の基本方向や農業政策の重要事項について調査,審議を行なった内閣総理大臣の諮問機関。1999年,農業基本法に代わり食料・農業・農村基本法が成立したことに伴い,食料・農業・農村政策審議会となった。15人以内の委員で構成され,農林水産省内に設置。農政展開のうえで各種の答申建議を提出し,1980年の「80年代の農政の基本方向」,1986年の「21世紀に向けての農政の基本方向」の答申では,産業として自立しうる農業の確立を目指し,中核農家や生産組織への農地集積,水田農業の確立,生産コスト削減などを提言してきた。また 1990年には「今後の米政策及び米管理の方向」を掲げるなど,食糧管理制度改革の指針を示した。

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百科事典マイペディア 「農政審議会」の意味・わかりやすい解説

農政審議会【のうせいしんぎかい】

農業基本法に基づいて総理府(1984年農水省に移管)に設けられた農業政策の最高審議機関で1961年発足。15名以内の学識経験者委員と15名以内の専門調査員および各省からの幹事で構成。農業白書中の農業生産性および農民の生活水準,農産物の需要,生産の長期見通し,価格安定施策などにつき意見を述べ,また基本法の施行に関する重要事項を審査する。
→関連項目総合農政

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