迂遠(読み)ウエン

デジタル大辞泉 「迂遠」の意味・読み・例文・類語

う‐えん〔‐ヱン〕【×迂遠】

[形動][文][ナリ]道路などが曲がりくねって目的地までなかなか到達できないの意から》
まわりくどいさま。また、そのため、実際の用に向かないさま。「迂遠方法
世の中の動きに疎いさま。
「このご時勢にもう漢文を学ぶ―な青少年もいないから」〈佐藤春夫晶子曼陀羅
[類語]遠い遠め程遠い間遠まどお遠く遥か遥けしはるばる遠方遠隔遠路悠遠遼遠長途遠距離僻遠へきえん万里以遠

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「迂遠」の意味・読み・例文・類語

う‐えん ‥ヱン【迂遠】

〘形動〙 (「迂」は道などが弧状に曲がっていて、目的地までまっすぐ進めないこと)
① 方法、思想態度などが遠回りなさま。また、そのため、実際の用、すぐの用には役立たないさま。
御伽草子付喪神(室町時代小説集所収)(室町中)「天台、華厳の両宗、この旨を談ずといへども、文理を、ともに迂遠にして、いまだ玄微をすくす事、あたはす」 〔史記‐孟子伝〕
② 世事にうといさま。
灰燼(1911‐12)〈森鴎外〉一〇「読者の迂遠である。固陋である」

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