(読み)むかえ

精選版 日本国語大辞典 「迎」の意味・読み・例文・類語

むかえ むかへ【迎】

〘名〙 (動詞「むかえる(迎)」の連用形名詞化)
① 来る人を準備して待ち受けること。来てもらうようにその人のところまで使い乗物をつかわすこと。また、その使いや乗物。
万葉(8C後)一五・三七七〇「あぢま野に宿れる君が帰り来む時の牟可倍(ムカヘ)をいつとか待たむ」
源氏(1001‐14頃)須磨「帥よりはじめ、むかへの人々まがまがしう泣きみちたり」
洒落本・仕懸文庫(1791)四「もふ今にむけへだから、はをりしでもよんでゐてくんねへ」

むかい むかひ【迎】

〘名〙
平家(13C前)一二「けふ既に鎌倉へつくと聞えしかば、源二位片瀬河まで迎(ムカヒ)〈高良本ルビ〉におはしけり」
② 特に、遊里で、遊びの時間が切れた時、座敷に出ている芸娼妓をかかえ主が呼びに来ること。
※洒落本・突当富魂短(1781)深川の遊び「むかひなら直してやれ」

むか・ゆ【迎】

〘他ヤ下二〙 (ハ行下二段動詞「むかふ(迎)」から転じて、室町時代頃から用いられた語。多くの場合、終止形は「むかゆる」の形をとる) =むかえる(迎)
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)六「国境まで守護殿のをりゃる時、迎(ムカ)ゆるが法ぞ」
人情本・恩愛二葉草(1834)二「良婿を迎(ムカ)ゆるとも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「迎」の意味・読み・例文・類語

げい【迎】[漢字項目]

常用漢字] [音]ゲイ(漢) ギョウ(ギャウ)(呉) [訓]むかえる
出むかえる。待ちうける。「迎撃迎春迎賓歓迎送迎奉迎
相手の意をいれる。「迎合
難読来迎らいごう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android