迫水久常(読み)さこみず ひさつね

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「迫水久常」の解説

迫水久常 さこみず-ひさつね

1902-1977 昭和時代の官僚,政治家。
明治35年8月5日生まれ。大蔵省にはいり,岳父岡田啓介首相の秘書官をへて,総務局長,銀行保険局長となる。鈴木貫太郎内閣書記官長のとき終戦。のち衆議院議員(当選2回),参議院議員(当選4回,自民党)。第1・第2次池田内閣の経済企画庁長官,郵政相。昭和52年7月25日死去。74歳。鹿児島県出身。東京帝大卒。著作に「機関銃下の首相官邸」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の迫水久常の言及

【岡田啓介】より

…太平洋戦争の戦局が悪化すると,重臣と海軍のつなぎ役として東条英機内閣打倒工作を推進し,次の小磯国昭内閣では米内が現役に復帰して海相となった。次いで同内閣が倒れて鈴木貫太郎が首相となるとその組閣を援助し,女婿の迫水久常を書記官長にするなど,終戦工作の一つの柱となった。【今井 清一】。…

【革新官僚】より

…内閣調査局時代から,企業の所有と経営の分離による公益的統制を主張して電力国家管理案を作成し,その実現に奔走した奥村喜和男(逓信省出身)の活動はその先駆をなすものであり,さらに40年後半の新体制論議のなかで,企画院案として提示された〈経済新体制確立要綱〉は,革新官僚の意図と方向を示すものとして注目を集めた。当時,革新官僚とは,岸信介商工次官,星野直樹企画院総裁ら,すでに満州国での経済統制の経験をもつ高級官僚と企画院の実務を担当している前記の奥村や,美濃部洋次(商工省出身),毛里英於菟(大蔵省出身),迫水久常(大蔵省出身)らの中堅官僚をひとまとめにした呼称として使われている。彼らによって作成・推進された〈経済新体制確立要綱〉は,企業の公共化,ナチス的な指導者原理の導入による統制機構の確立,利潤の制限などを骨子とするものであり,これらの要求が〈革新〉の名で呼ばれたのであった。…

※「迫水久常」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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