追熟(読み)ツイジュク

デジタル大辞泉 「追熟」の意味・読み・例文・類語

つい‐じゅく【追熟】

[名](スル)西洋梨バナナなど果実収穫期脱落を防ぐため、適期より早めに採取し、一定期間貯蔵して完熟させること。
[補説]品質保持や糖度を高めるために、トマト・サツマイモ・カボチャなどの野菜でも行われる。
[類語]れる熟する熟むれる熟成する成熟未熟不熟早熟晩熟黄熟豊熟完熟爛熟

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精選版 日本国語大辞典 「追熟」の意味・読み・例文・類語

つい‐じゅく【追熟】

〘名〙 果実などが収穫時期に熟し切っていて脱落したりするのを防ぐために、適期よりも早目に収穫しておいて、あとで完熟させること。
※バナナ(1959)〈獅子文六〉バナナ師「バナナにしても〈略〉適当な追熟を行い」

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改訂新版 世界大百科事典 「追熟」の意味・わかりやすい解説

追熟 (ついじゅく)

植物体から切り離した後の果実で起こる成熟現象肥大生長が終りに近づくと,果実は甘み芳香を増すばかりでなく,酸味が減少し,着色,軟化して,食用に適した状態(完熟)へと変化してゆく。こうした一連の変化(成熟)は,果実が樹上にある間に起こるのが普通であるが,果実の中には,やや未熟なうちに収穫しても,成熟を続けて食用に適した状態になるものがある(トマト,バナナ,セイヨウナシパパイアアボカドなど)。樹上で果実を完熟させると,軟らかく傷つきやすくなり,輸送が難しいので,追熟可能な果実では,幾分未熟なまだ硬いうちに収穫し,輸送中(トマト)または低温輸送後(バナナ)に追熟させることも多い。バナナやセイヨウナシなどでは,やや未熟なうちに収穫した果実を適当な温度条件(20℃前後)下に置き,場合によってはエチレンで処理して人為的に追熟させる。
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栄養・生化学辞典 「追熟」の解説

追熟

 収穫したあとに,一定時間保存することによって果実などが熟成していく現象.

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