逆鱗(読み)ゲキリン

デジタル大辞泉 「逆鱗」の意味・読み・例文・類語

げき‐りん【×鱗】

《竜のあごの下にある逆さに生えたうろこに人が触れると、竜が怒ってその人を殺すという「韓非子説難故事から》天子の怒り。転じて、目上の人の怒り。
[類語]怒り腹立ち憤り怒気瞋恚しんい憤怒ふんど・ふんぬ憤懣ふんまん鬱憤うっぷん義憤痛憤悲憤憤激憤慨ふんがい立腹激怒癇癪かんしゃく憤ろしい腹立たしい業腹ちゅうっ腹やけっ腹悲憤慷慨喧嘩早い喧嘩っぱや癇癖癇性ヒステリック虫気短気気短短慮せっかち性急気早気が短い気忙しい直情径行逆上高ぶるのぼせる激するかっとなるいきり立つはやり立つのぼせ上がる血迷う血走る怒りっぽい切れる

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精選版 日本国語大辞典 「逆鱗」の意味・読み・例文・類語

げき‐りん【逆鱗】

〘名〙 (「げき」は「逆」の漢音。龍ののどもとにさかさに生じた一枚のうろこがあって、人が触れると怒って殺すという「韓非子‐説難」の故事から。龍は天子をたとえる)
① 天子が怒ること。帝王が立腹すること。天皇の怒り。
田氏家集(892頃)下・奉傷致仕藤御史「犯主逆鱗国、為朝骨鯁居」
保元(1220頃か)中「主上逆鱗有りて、清盛既に伯父を誅す」 〔史記‐荊軻伝〕
② はげしく怒ること。ふつう、目上の人が怒る場合に用いる。
信長公記(1598)一〇「羽柴筑前御届をも申上げず帰陣仕候段、曲事の由御逆鱗なされ」
浮世草子・風流曲三味線(1706)四「文(ふみ)引裂て面色変り、〈略〉歯を喰しめてげきりんある」

ぎゃく‐りん【逆鱗】

〘名〙 =げきりん(逆鱗)〔広益熟字典(1874)〕

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とっさの日本語便利帳 「逆鱗」の解説

逆鱗

竜にはのどの下に直径一尺の逆になった鱗があり、これに触れる者があれば必ず殺してしまうという。人主にもまた逆鱗があるから、王への説(ぜい)はそれに触れないようにして初めて可能になる、と韓非は説く。

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