連中(読み)れんじゅう

精選版 日本国語大辞典 「連中」の意味・読み・例文・類語

れん‐じゅう ‥ヂュウ【連中】

〘名〙
① つれ。仲間。くみの人々。ひとかたまりの人々。また、つれだつこと。仲間であること。仲間にすること。れんちゅう。
鹿苑日録‐慶長四年(1599)九月三日「於如水連歌。〈略〉其席に昌叱・紹巴・彌二郎も連中故に、直に赴一安相逢」
芋粥(1916)〈芥川龍之介〉「侍所にゐる連中(レンヂウ)は」
音曲その他演芸一座
※滑稽本・風来六部集(1780)放屁論後編「四国猿平と改名し屁撒芸の仲間へ入り、芋連中(レンヂウ)と参会して」
芝居や音曲などの見物客で、特定のひいき仲間。
※咄本・千里の翅(1773)積もの「中村秀鶴、此たび出勤につき、れんぢうよりのつみものに」

れん‐ちゅう【連中】

〘名〙 =れんじゅう(連中)①〔和英語林集成初版)(1867)〕

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デジタル大辞泉 「連中」の意味・読み・例文・類語

れん‐ちゅう【連中】

《「れんぢゅう」とも》仲間である者たち。また、同じようなことをする者たちをひとまとめにしていう語。親しみ、あるいは軽蔑けいべつを込めていう。「クラス連中を誘ってみる」「こういう連中は度し難い」
れんじゅう(連中)
[類語]人人方方彼等・彼女等・奴等手合い

れん‐じゅう〔‐ヂユウ〕【連中】

れんちゅう(連中)1」に同じ。
音曲などの一座の人々。「長唄連中

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改訂新版 世界大百科事典 「連中」の意味・わかりやすい解説

連中 (れんじゅう)

歌舞伎用語。(1)俳優を後援する観劇団体。見連(けんれん),組,組見(くみけん)ともいう。上方では古くから手打連中というものがあり,顔見世のときには一座の俳優に進物を贈り,茶屋の軒には連中の印のある箱提灯をかけ,揃いの頭巾をかぶって奇妙な手を打った。なかでも享保から安永にかけて(18世紀),次々とできた大坂の〈笹瀬〉〈大手〉〈藤石〉〈花王(さくら)〉のいわゆる四連中が有名である。京都の〈笹木〉,名古屋の〈真蘇木(まそぎ)〉〈花岡〉〈大笹〉の三連中などはいずれも大坂の手打連の模倣であった。江戸でも盛んで,中村芝翫の〈イ菱連〉,4世坂東三津五郎の〈勝見連〉,渋江抽斎(ちゆうさい)らを中心とする〈周茂叔連(しゆうもしゆくれん)〉,通称〈眼鏡連〉などがあった。明治になってからも連中の形式は続き,〈六二連(ろくにれん)〉〈水魚連(すいぎよれん)〉など,識者による連中が権威と勢力を持っていたが,しだいに連中の数も増え,連中相互の競争も激しくなり,弊害も現れるようになった。現在は,後援会という形の組織を役者がもつようになった。(2)元来は音楽,演芸などの一座をいうが,歌舞伎の場合は浄瑠璃,長唄などに出演して舞台に居並ぶ一行をいう。竹本連中,常磐津連中,長唄囃子連中など。
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