連続幼女誘拐殺人事件(読み)れんぞくようじょゆうかいさつじんじけん

知恵蔵 「連続幼女誘拐殺人事件」の解説

連続幼女誘拐殺人事件

埼玉と東京で1988年から89年にかけて、4〜7歳の幼女4人が相次いで誘拐され殺害された事件。89年8月に印刷業手伝いの宮崎勤被告(逮捕当時26)が逮捕された。殺害前後の幼女の裸体を映像におさめたり、被害者の歯や骨を遺族に送り届けたりした異常な行動が関心を集め、犯罪を生んだ社会・文化状況が様々に語られた。刑事責任能力をめぐって3種類の精神鑑定が出されたが、東京地裁、同高裁とも、完全責任能力を認め、死刑を言い渡した。弁護人判決を不服として最高裁上告した。最高裁第三小法廷は06年1月17日、「性的欲求を満たすために4人の女児を殺害したもので、非道な動機酌量余地はない」として上告を棄却する判決を言い渡した。弁護人は判決の訂正を申し立てたが、同小法廷は2月1日付で「判決の内容に誤りがあることを発見しない」として申し立てを棄却する決定をし、死刑が確定した。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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