連翹(読み)れんぎょう

精選版 日本国語大辞典 「連翹」の意味・読み・例文・類語

れん‐ぎょう ‥ゲウ【連翹】

〘名〙
モクセイ科の落葉小低木。中国原産で、観賞用に古くから栽植されている。高さ約二メートル。枝は長くのび上部はやや垂れ下がる。葉は対生し柄があり、広卵形で縁に鋸歯(きょし)がある。長さ七~一〇センチメートル。早春、葉に先だって花冠の深く四裂した黄色い筒状花が葉腋に一個ずつつく。果実卵形で熟すと二片に割れる。漢名、黄寿丹。和名は、トモエソウの漢名「連翹」が誤って用いられたことによる。いたちぐさ。れんぎょううつぎ。《季・春》 〔花壇地錦抄(1695)〕
※俳諧・太祇句選(1772‐77)春「連翹や黄母衣の衆の屋敷町」
漢方薬。①の果実。消炎解毒排膿利尿の効がある。
※延喜式(927)三七「諸国進年料雑薬〈略〉下総国卅六種、青木香一斤八両、芎藭八斤、前胡、連翹、黄精、白芷、稾本」
③ 紋所の名。①を図案化したもの。連翹、連翹襷などがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「連翹」の意味・読み・例文・類語

れん‐ぎょう〔‐ゲウ〕【連×翹】

モクセイ科の落葉小低木。枝は叢生そうせいし、長く伸びて垂れる。葉は卵形。早春、葉の出る前に、黄色い花を多数開き、花びら四つに深く裂けている。果実は楕円形で、漢方で抗炎症・解毒・利尿薬として用いる。中国の原産。庭木にする。いたちぐさ。 春》「―や真間の里びと垣を結はず/秋桜子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「連翹」の解説

れんぎょう【連翹】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。モクセイ科レンギョウの成熟した果実。排膿(はいのう)消炎解毒抗菌利尿鎮痛などの作用がある。慢性鼻炎蓄膿(ちくのう)症慢性扁桃(へんとう)炎にきびに効く荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、慢性胃腸病湿疹(しっしん)に効く柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)、湿疹、皮膚炎に効く治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)などに含まれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「連翹」の解説

連翹 (レンギョウ・イタチグサ)

学名:Forsythia suspensa
植物。モクセイ科の落葉小低木,園芸植物,薬用植物

連翹 (イタチグサ)

植物。高三郎の別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android