遊佐町(読み)ユザマチ

デジタル大辞泉 「遊佐町」の意味・読み・例文・類語

ゆざ‐まち【遊佐町】

遊佐

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日本歴史地名大系 「遊佐町」の解説

遊佐町
ゆざまち

面積:二〇九・五五平方キロ

飽海郡の北端に位置する。東部は鳥海山とその西側山麓部、中部は月光がつこう川流域の平野部、西部は庄内海岸で、西部の海岸は吹浦ふくら以北の磯浜と以南の砂浜とに分れる。鳥海山・月光川・庄内海岸の景観は四季の変化に富む。東は八幡やわた町と秋田県由利ゆり郡鳥海町、西は日本海、南は酒田市と八幡町、北は秋田県由利郡象潟きさかた町・仁賀保にかほ町・矢島やしま町に接し、日本海沿いに国道七号、内陸部を同三四五号が南北に走る。鳥海山麓一帯には約一七〇ヵ所の遺跡が密集する。旧石器時代の臂曲ひじまがりA遺跡(吉出)金俣かなまたA遺跡(同上)をはじめとして、約二〇〇基の貯蔵庫を出土した縄文時代前期の吹浦遺跡(吹浦)、同後期の青銅刀を出土した三崎山みさきやま遺跡(女鹿)、同晩期の土偶を出土した杉沢すぎさわ遺跡(杉沢)、同中期から晩期、また弥生時代初頭の土器も出土した神矢田かみやだ遺跡(北目)などがある。

「延喜式」兵部省にみえる東山道遊佐駅は飽海駅(現平田町に比定)蚶方きさかた(現象潟町に比定)の間にあり、現大楯おおだてに比定されている。鳥海山を神体とする大物忌神と月山神は、蝦夷の反乱などの怨敵降伏や凶事を鎮める国家鎮護の神々として朝廷の保護を受け、「三代実録」元慶四年(八八〇)二月二七日条には大物忌神と月山神は従二位に叙されたとあり、大物忌おおものいみ神社・月山つきやま神社ともに式内大社となった(「延喜式」神名帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遊佐町」の意味・わかりやすい解説

遊佐〔町〕
ゆざ

山形県北西部,日本海に臨む町。酒田市の北西に位置し,北は秋田県に接する。北東部は鳥海山 (2236m) をはじめ,月山森 (がっさんもり) ,笙ヶ岳 (しょうがたけ) などの鳥海山群が連なる。南西の沿岸部は庄内砂丘が広がり,月光川流域は庄内平野の北部を占める水田地帯が開ける。 1941年町制施行。 1954年稲川村,西遊佐村,高瀬村,吹浦村,蕨岡村と合体した。古くは宿駅で,中世には荘園が経営された。鳥海山系からの出水のため冠水することがあり,1979年月光川ダムが建設された。山麓地帯はカキ (柿) などの果樹園が多く,畜産,林業も行なわれる。砂丘地帯は野菜やメロン,スイカなどの畑作地。月光川とその支流はサケの人工孵化で知られる。鳥海山頂には大物忌神社の本殿が鎮座し,吹浦蕨岡にそれぞれ吹浦口の宮,蕨岡口の宮がある。熊野神社に古くから伝わる山伏の舞は杉沢比山 (すぎさわひやま) と呼ばれ,国の重要無形民俗文化財に指定されている。北部および西部の日本海沿岸地帯は鳥海国定公園に属し,湯ノ田温泉がある。 JR羽越本線,国道7号線,鳥海道路が通る。面積 208.39km2。人口 1万3032(2020)。

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