運動ニューロン疾患と類似の病気(読み)うんどうにゅーろんしっかんとるいじのびょうき

家庭医学館 の解説

うんどうにゅーろんしっかんとるいじのびょうき【運動ニューロン疾患と類似の病気】

 下位運動ニューロンの障害が中心となる脊髄性進行性筋萎縮症(せきずいせいしんこうせいきんいしゅくしょう)(「筋萎縮性側索硬化症(ALS/アミトロ)」の脊髄性進行性筋萎縮症)に似た病気には、つぎの3つがあります。
■ウェルドニッヒ・ホフマン病
「子どもの脳・脊髄・神経の病気」「ウェルドニッヒ・ホフマン病
クーゲルベルグ・ヴェランダー病
 肩・腰・上腕など近位部(手足のつけ根)の筋力の低下と萎縮が特徴で、10歳前後からおこることが多いものです。病状の進行はきわめて遅く、知能の発達は正常です。
 男児に多く、常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)(または劣性(れっせい))遺伝(いでん)しますが、遺伝とは関係のない発症もあります。
■球脊髄性筋萎縮症(きゅうせきずいせいきんいしゅくしょう)
 比較的最近見つかった病気で、伴性劣性遺伝(ばんせいれっせいいでん)します。すべて20~40歳代の男性に発症しています。手指の震(ふる)えや筋肉のけいれんに引き続き、球症状(きゅうしょうじょう)(鼻声と舌の線維束(せんいそく)れん縮(しゅく)は目立つが嚥下困難(えんげこんなん)はわずかである)、両手足のつけ根(近位部)の筋力低下と萎縮がみられます。性腺機能不全(せいせんきのうふぜん)をともない、女性化乳房(じょせいかにゅうぼう)、睾丸萎縮(こうがんいしゅく)などもおこります。
 経過が20年以上にわたる場合が多く、軽症の場合は、高齢になるまで症状を自覚しないこともあります。
 遺伝が証明できない場合や典型的な症状のおこらない場合は、遺伝子診断が有用です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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