遍照(読み)へんじょう

精選版 日本国語大辞典 「遍照」の意味・読み・例文・類語

へん‐じょう ‥ゼウ【遍照】

[1] 〘名〙 (「へんしょう」とも) すみずみまで行きわたるように照らすこと。特に、法身(ほっしん)光明があまねく世界を照らすこと。
菅家文草(900頃)一二・為左兵衛少志坂上有識、先考周忌、供養一切経法会願文「呑炎州以為哀、非逝魂遍照之道
野分(1907)〈夏目漱石〉五「暗黒世界を遍照(ヘンゼウ)せんが為め」
[2]

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「遍照」の意味・読み・例文・類語

へん‐じょう〔‐ゼウ〕【遍照】

[名](スル)《「へんしょう」とも》あたりくまなく照らすこと。特に、仏の法身ほっしんの光明があまねく世界を照らすこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「遍照」の解説

遍照
へんじょう

816~890.1.19

遍昭とも。平安前期の歌人。六歌仙・三十六歌仙の1人。俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。安世(やすよ)の子。子に素性(そせい)。従五位上蔵人頭であったが,仁明(にんみょう)天皇の死去により出家。円仁(えんにん)・円珍に師事し,885年(仁和元)僧正となる。元慶(がんぎょう)寺を建立花山(かざん)僧正とよばれた。「古今集」仮名序は「歌のさまは得たれども,まことすくなし」と評する。「古今集」以下の勅撰集に約35首入集。家集「遍照集」。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「遍照」の解説

遍照
(通称)
へんじょう

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
僧正遍照
初演
天保2.3(江戸中村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

百科事典マイペディア 「遍照」の意味・わかりやすい解説

遍照【へんじょう】

遍昭

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android