遠山金四郎（読み）とおやまきんしろう

精選版 日本国語大辞典

とおやま‐きんしろう【遠山金四郎】

江戸末期の幕臣。左衛門尉。名は景元。金四郎は通称。青年時代、放蕩生活をし市井無頼の徒と伍したが、家を継ぐにあたり悔悟したという。小納戸頭取・小普請奉行・作事奉行・勘定奉行・北町奉行などを歴任。水野忠邦の天保の改革につとめたが意見が合わず罷免され、水野の失脚後、南町奉行となる。世情に通じ名奉行とうたわれた。俗説では桜吹雪のいれずみがあったといわれ、講談などでは「遠山の金さん」として親しまれている。寛政五～安政二年（一七九三‐一八五五）

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

とおやま‐きんしろう〔とほやまキンシラウ〕【遠山金四郎】

［?～1855］江戸末期の町奉行。名は景元。左衛門尉さえもんのじょうと称した。小普請・作事・勘定などの奉行を経て、江戸の町奉行となり、名奉行といわれた。桜の入れ墨のある「遠山の金さん」は、講談などでの脚色。

出典　小学館

改訂新版　世界大百科事典

遠山金四郎 (とおやまきんしろう)
生没年：1793-1855（寛政5-安政2）

江戸末期の幕臣。幼名は通之進，名は景元（かげもと），号は帰雲。金四郎は通称。左衛門尉景晋（かげくに）の子（遠山家には金四郎を名のる者が少なくないが，景元がもっとも著名）。小納戸より小普請奉行，作事奉行，勘定奉行公事方を経て1840年（天保11）3月北町奉行となる。天保改革の株仲間解散に反対し，内命をうけながらしばらく握りつぶしていたため差控をうけたことがあり，老中水野忠邦や南町奉行の鳥居耀蔵とは親密でなかったようである。そのためか43年2月大目付に転じ，忠邦の失脚後45年（弘化2）再び町奉行になるという異例の人事となった。名奉行として市井に知られ，奉行所内でも大岡忠相以来の裁判じょうずという評判であった。52年（嘉永5）3月職を辞した。肩から腕に桜花の刺青のある〈遠山の金さん〉として芝居，講談，テレビなどで著名。
執筆者：南 和男

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遠山金四郎【とおやまきんしろう】

江戸後期の町奉行。名は景元(かげもと)。小普請奉行・勘定奉行公事方を経て，1840年北町奉行。天保改革の主導者水野忠邦や南町奉行鳥居耀蔵とは親密ではなかったようでいったん大目付に移されたが，忠邦失脚後の1845年再度南町奉行。名奉行として，大岡忠相と並称される。講談，浪曲などで〈遠山の金さん〉として有名。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

遠山金四郎
とおやまきんしろう

[生]?
[没]安政2(1855)
江戸時代後期の江戸町奉行。景晋の子。名は景元。左衛門尉と称し，北町奉行，南町奉行を経て大目付に進んだ。市井無頼の徒と交遊し，下情に通じた名判官とうたわれ，「遠山の金さん」として講談や浪曲で知られる。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

遠山金四郎 とおやま-きんしろう

⇒遠山景元(とおやま-かげもと)

出典　講談社

日本大百科全書(ニッポニカ)

遠山金四郎
とおやまきんしろう

→遠山景元

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