遠野[市](読み)とおの

百科事典マイペディア 「遠野[市]」の意味・わかりやすい解説

遠野[市]【とおの】

岩手県中部北上高地の広い地域を占める市。1954年市制。山地市域の55%を占め,中部に猿ヶ石川が形成した遠野盆地があり,釜石線が通じる中心市街が発達。近世には遠野南部氏の城下町,馬の産地として発展した。現在は米を中心にタバコ,リンゴセイヨウナシの栽培,乳牛・肉牛飼育,木工業が盛ん。盆地を囲んで山が深く,民間伝承宝庫といわれ,柳田国男の《遠野物語》で有名。1992年には〈世界民話博IN遠野〉が開かれ,民話のふるさとを求めて観光客が増加している。2005年10月上閉伊郡宮守村を編入,釜石自動車道が通じている。東日本大震災で,市内において被害が発生。825.97km2。2万9331人(2010)。
→関連項目釜石線三閉伊一揆

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