精選版 日本国語大辞典 「遣手」の意味・読み・例文・類語
やり‐て【遣手】
〘名〙
① 物事をする人。行なう人。仕手(して)。
② 腕前のある人。物事に巧みな人。手腕家。敏腕家。
③ 牛を使う人。牛車をあやつり動かす人。また、それに巧みな人。
※駿牛絵詞(13C後‐14C初)「牛逸物も牛飼の遣手も世に多く」
④ 物を与える人。物をくれる人。
※咄本・無事志有意(1798)駕好「其駕籠賃はどこからもやりてがなければ、見世の小銭をちっとづつためて乗る」
⑤ 船と船とを結ぶもやい綱。手安綱。〔和漢船用集(1766)〕
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「大夫様と呼べども、今は返事もせず逢もせず。禿・遣手(ヤリテ)も空知らぬ風情なり」
⑦ やりごと(=詐欺)をする人。ぺてん師。詐欺師。
⑧ 「やりてむすび(遣手結)」の略。
⑨ 取引市場で、売り手。また、売ること。〔現代大辞典(1922)〕
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