適度人口(読み)てきどじんこう(英語表記)optimum population

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「適度人口」の意味・わかりやすい解説

適度人口
てきどじんこう
optimum population

経済学者エドウィン・キャナン,クヌート・ウィクセルらによって唱道された理論で,経済社会において最も効率的である人口の大きさをいう。最適人口ともいう。いま技術を所与とし,資本土地および天然資源一定である状態を考える。人口がある一定規模に達するまでは人口の増加によって分業協業などの効率化により収穫逓増の現象がみられる。ところがこの一定規模をこえると 1人あたりの使用資本・土地などが減少し,収穫逓減が起こる。この一定規模の人口を適度人口という。この規模において 1人あたり生産が最大となり,労働投入量として最適である。

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百科事典マイペディア 「適度人口」の意味・わかりやすい解説

適度人口【てきどじんこう】

一定地域の経済的条件に対し,人口が過剰であるとか,過少であるなどという場合の基準となる人口。歴史的に多く研究が行われ,最大の1人当り所得や生産量増減の極大点といった指標を基準に理論化されてきたが,こうした指標自体が新技術の導入資源の増減,社会構造などの影響を受けて変化するものであり,現実的とはいえない。→過剰人口

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世界大百科事典(旧版)内の適度人口の言及

【過剰人口】より

…適度人口に比し多すぎる人口が過剰人口ということになるが,マルサスの絶対的過剰人口(人口を扶養するに足る食糧供給量以上に増加した人口)論に対し,マルクスは相対的過剰人口relative surplus‐population論を主張した。マルクスのこの概念は主として社会経済的なものであって,次のようなものである。…

※「適度人口」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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