遺伝子組み換え作物(読み)いでんしくみかえさくもつ(英語表記)genetically modified crop (GM crop)

知恵蔵 「遺伝子組み換え作物」の解説

遺伝子組み換え作物

植物細胞に外来遺伝子を導入したトランスジェニック植物のうち、作物として利用されているもの。まず作物に付与したいと考える特徴(例えば除草剤耐性や害虫抵抗性など)を生み出す遺伝子DNAを自然界から探し出すか、化学合成する。目的の遺伝子DNAが得られれば、組み換えDNA技術を用いて、組み換えDNA分子を作製し、作物の細胞に入れ、その細胞を培養し、植物体に成長させる。さらに交配などにより、遺伝的に安定にした新品種(=遺伝子組み換え作物)を得る。遺伝子組み換え作物では、様々な安全性試験が行われ、環境に対してや、飼料食品としての安全性が確認されたのちに、実用化される。2006年7月現在、厚生労働省による安全性審査が終了した遺伝子組み換え作物は58品種。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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