遺伝子頻度(読み)イデンシヒンド(英語表記)gene frequency

デジタル大辞泉 「遺伝子頻度」の意味・読み・例文・類語

いでんし‐ひんど〔ヰデンシ‐〕【遺伝子頻度】

互いに繁殖可能なメンデル集団遺伝子プールにおける、各々の対立遺伝子が含まれる割合

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「遺伝子頻度」の意味・わかりやすい解説

遺伝子頻度 (いでんしひんど)
gene frequency

ある集団における各々の対立遺伝子の相対的頻度。例えば100個体の集団でA1とA2の二つの対立遺伝子が存在しA1A1,A1A2,A2A2遺伝子型をもった個体がそれぞれ64,32,4個体存在した(つまりそれぞれの遺伝子型頻度が0.64,0.32,0.04)とすると,A1の遺伝子頻度はA2の遺伝子頻度はである。交配が無作為に行われている集団で,突然変異,自然淘汰,機会的浮動などが働かなければ遺伝子頻度は一定であり,遺伝子型頻度は遺伝子頻度の二項式展開(先の例は(0.8+0.2)2=0.64+0.32+0.04)で与えられるというハーディ=ワインベルクの法則Hardy-Weinberg's law(1908)が成立する。実際の集団においては突然変異,自然淘汰,機会的浮動,移住などの要因により遺伝子は変化する。これを理論的実験的に研究するのが集団遺伝学である。
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