郡山市(読み)コオリヤマシ

デジタル大辞泉 「郡山市」の意味・読み・例文・類語

こおりやま‐し〔こほりやま‐〕【郡山市】

郡山

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「郡山市」の解説

郡山市
こおりやまし

面積:七三一・〇五平方キロ(境界未定)

県中央部に位置し、市域中央部の郡山盆地東寄りを阿武隈川が北流する。東は阿武隈高地、北は安達太良山山頂まで市域は延び、西は奥羽山脈を越えて猪苗代湖南東岸に達する。なお猪苗代湖の水面は境界未定で、市の面積には含まれていない。北の安達太良山へ延びる地域が大きく突出しているため、おおむね凸状の市域をなす。北西は耶麻郡猪苗代町、西は会津若松市、南は岩瀬郡天栄てんえい村・長沼ながぬま町・岩瀬村、須賀川市、石川郡平田ひらた村、東は田村郡小野おの町・船引ふねひき町・三春みはる町、北東から北は安達郡白沢しらさわ村・本宮もとみや町・大玉おおたま村、北端安達太良山山頂でわずかに二本松市と接する。市街を南北に東からJR東北新幹線・東北本線、国道四号・東北自動車道が通り、南東から北西に太平洋側と日本海側を結ぶ国道四九号、東西にJR磐越東線・磐越西線が走る。また北東部に国道二八八号、南東部にJR水郡線が通り、県中央部の交通の要衝である。なお磐越自動車道は平成四年(一九九二)一〇月に郡山市の磐梯熱海ばんだいあたみインターチェンジと河沼郡会津坂下あいづばんげ町の会津坂下インターチェンジ間が開通、同七年の福島国体までに全線開通する予定である。

〔原始〕

旧石器時代の遺物が市域西端部の熱海町中山あたみまちなかやま熱海町高玉あたみまちたかたま熱海町安子島あたみまちあこがしま熱海町玉川あたみまちたまがわなどで発見されている。亀田かめだ川東岸の微高地上にある古亀田ふるかめだ遺跡からは縄文時代早期の尖底土器・平底深鉢などが出土している。西田町根木屋にしたまちねぎやから富久山町堂坂ふくやままちどうざかにかけての曲木沢まがきざわ遺跡では、段丘上の平坦面中央部に住居がなく、そこを囲むように縄文時代中期の住居が弧状に配されている。熱海町中山の五百ごひゃく川北岸の河岸段丘上にびわ首沢くびさわ遺跡があり、縄文時代中期から後期の集落跡で、多数の複式炉が検出されている。熱海町玉川の雇沢やといざわ遺跡は縄文時代晩期から弥生時代初頭の変遷を示している。阿武隈川東岸の高位段丘上田村町御代田たむらまちみよだ御代田遺跡があり、縄文時代晩期の要素を残しながら弥生文化を吸収した時期の土器を多く出土し、御代田式と命名された。大槻おおつき扇状地扇央部の低位段丘上にある柏山かしわやま町の柏山遺跡は弥生時代中期中葉の小竪穴墓群と考えられている。田村町上行合の北山田たむらまちかみゆきあいのきたやまだ古墳群は五世紀半ばから六世紀前半、同じく南山田遺跡もほぼ同時期に居住が始められた集落跡で、古墳を含んでいる。大槻町の麦塚ばくづか古墳は六世紀中葉頃築造された前方後円墳で各種の形象埴輪が出土し、とくに男根出土例の数少ない古墳である。田村町正直たむらまちしようじきの正直古墳群は古墳時代中期の古墳群で、前方後円墳・円墳・方墳を含む。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「郡山市」の意味・わかりやすい解説

郡山〔市〕
こおりやま

福島県中央部にある中核市。1924年郡山町と小原田町が合体して市制。1954年富田村の一部,1955年三春町と高瀬村,巌江村の一部,さらに大槻町を編入。1965年,安積町,日和田町,富久山町,熱海町,田村町の 5町と三穂田村,逢瀬村,片平村,喜久田村,湖南村の 5村と合体し,地方開発の拠点都市となって発展。市域は郡山盆地を中心に,西は猪苗代湖岸,東部は阿武隈高地に及ぶ。奥州街道の宿場町から発展。安積疏水により盆地が開田され,1898年には地元資本により郡山絹糸紡績が発足。安積疏水を利用して発電所を開設し,電力を自給するとともに余剰電力を安く供給して多くの工場を誘致,その結果化学・紡績工場が進出し繁栄。第2次世界大戦後は化学繊維,ガラス繊維,機械器具工業が中心となった。1964年新産業都市に指定。1982年東北新幹線が通り,また JR東北本線郡山駅から JR磐越東線,磐越西線,水郡線が分岐。東北自動車道,磐越自動車道,国道4,49,288,294号線が縦横に結ぶ交通の要地。市街地東部は阿武隈川の氾濫原で工業地区,西部は大槻原の台地面でおもに住宅地区,その中間が商業地区となっている。如宝寺や開成山公園があるほか,高柴地区では伝統工芸三春人形を生産している。また,郡山の奥座敷といわれる磐梯熱海温泉がある。面積 757.20km2。人口 32万7692(2020)。

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