部分積分法(読み)ぶぶんせきぶんほう(英語表記)integration by parts

改訂新版 世界大百科事典 「部分積分法」の意味・わかりやすい解説

部分積分法 (ぶぶんせきぶんほう)
integration by parts

二つの関数の積の導関数を求める公式,(fg)′=fgfg′から,fg′=(fg)′-fgを得るから,この式の両辺不定積分を考えると,

となる。この公式を使って積分する方法を部分積分法という。例えば,

定積分についても同様な部分積分の公式,

が成り立つ。例えば,

部分積分法は何回も繰り返して使うこともある。不定積分の場合の例を示すと,

となるから,最後の項に再び部分積分法を適用することができる。この操作n回繰り返すと,初めの積分は,

 -{xnnxn1nn-1)xn2+……+nn-1)(n-2)……2・1}ex

となる。
積分
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の部分積分法の言及

【積分】より

…ただし不定積分を含む等式は,定数の差を除いて成り立つのである。(1)線形性 α,βを定数とするとき,(2)部分積分法 f,f′,g,g′が連続ならば,(3)置換積分法 においてx=φ(t)(ただし,φの値域はfの定義域に含まれ,φ′は連続とする)とおくと,とくにφが狭義単調ならば,連続な逆関数φ-1が定まり,上の式の右辺を計算してからt=φ-1(x)を代入して,f(x)の原始関数F(x)が求められる。 次に初等関数の不定積分を与える公式のおもなものを表に列挙する。…

※「部分積分法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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