郭若虚(読み)かくじゃくきょ

世界大百科事典(旧版)内の郭若虚の言及

【気韻】より

…ところが線描が素朴から繊細へ,さらに豪放へと発達すると,線描を通して画家の気持が絵画に反映するようになり,張彦遠の《歴代名画記》では気韻を立意と考えていて,生き生きとした写実とは画家の心情が感情移入されるのだという。中唐以降,いわゆる水墨画が興り,それに伴って山水画が盛行するようになると,人物画,動物画についていわれた気韻は通用しなくなり,北宋の郭若虚の《図画見聞記》では,気韻は生得のもので後天的にはいかんともしがたいとし,その画家の人柄によるという。水墨画が発達して以後は,墨の微妙な運用に気韻生動をみる傾向が強いようである。…

【水墨画】より

…概していえば筆すなわち線描は客観的描写を,墨は主情的表現を象徴するもので,水墨画の世界はこの筆墨二極間に成立する楕円にも比せられ,そこに多様な皴法が展開されるのである。北宋の諸家,たとえば郭若虚の《図画(とが)見聞志》はそれを落筆,皴淡,留素借地とし,総称して破墨の功といい,郭熙の《林泉高致》は筆墨の間を斡淡,皴擦,渲,刷,捽,擢,点に分け,韓拙の《山水純全集》は皴払は多端で一点一画に諸家の体法のあることをいい,披麻皴,点錯皴,斫砕皴,横皴,連水皴という命名をあげている。 水墨の技法は元来山水画のものであったが,やがて人物画にも応用され,樹石を描く皴法と人物の衣文の皴法とは同一視された。…

【図画見聞志】より

…中国,北宋の郭若虚(かくじやくきよ)の絵画史論。6巻。…

※「郭若虚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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