【Ⅰ】酸化スズ(Ⅱ):SnO(134.71).塩化スズ(Ⅱ)水溶液にアンモニア水,水酸化アルカリ水溶液などを加えて水酸化スズ(Ⅱ)を沈殿させ,これを空気に接しないようにして脱水すると得られる.黒~灰色の等軸晶系結晶.密度6.44 g cm-3.700 ℃ 以上で分解する.水,希アルカリ,アンモニア水に不溶,酸,アルカリに可溶.空気中で熱すると酸化スズ(Ⅳ)になる.水素気流中ではスズに還元される.スズ(Ⅱ)化合物の原料,ガラスのめっき,還元剤に用いられる.[CAS 21651-19-4]【Ⅱ】酸化スズ(Ⅳ):SnO2(150.70).二酸化スズともいう.天然にはスズ石として産出する.スズを空気中で強熱すると得られる.白色の粉末.密度6.95 g cm-3.融点1127 ℃.水,アルカリ,アンモニア水に不溶で,一般試薬と反応しにくいが,濃硫酸にはスズ(Ⅳ)塩となって溶ける.陶磁器のうわぐすり・着色剤,特殊ガラス(透明導電性ガラス),パテ,化粧品,触媒,ガスセンサー材料,金属スズの原料として用いられる.[CAS 18282-10-5]