酸欠事故(読み)さんけつじこ

百科事典マイペディア 「酸欠事故」の意味・わかりやすい解説

酸欠事故【さんけつじこ】

地下工事現場などで起こる酸素欠乏症。ふつう大気中の酸素量は約21%だが,16〜12%で頭痛耳鳴り吐き気頻脈呼吸数増加などが起こり,14〜10%で呼吸困難や判断力低下を呈し,10%以下では意識不明,痙攣(けいれん),チアノーゼを,6〜8%になると8分以内に死亡する。東京,大阪などの都市では,地下水のくみ上げにより水位が下がり,砂層・砂れき層の鉄分が酸素を吸収して酸素欠乏状態になっており,井戸,たて坑,トンネル工事などの際,酸欠事故が起こりやすい。

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世界大百科事典(旧版)内の酸欠事故の言及

【換気】より

…これは,1000kcalの発熱に対して約40m3の換気量となる。いわゆる酸欠事故は,特殊な環境における酸欠空気によるものもあるが,換気不良の室内開放型燃焼器具の不完全燃焼による一酸化炭素中毒であることが多い。【貝塚 正光】。…

※「酸欠事故」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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