釈妙(読み)しゃくみょう

朝日日本歴史人物事典 「釈妙」の解説

釈妙

没年正暦3(992)
生年:生年不詳
平安中期の尼,往生者。叡山横川飯室谷安楽律院(大津市)の住侶で往生者であった叡桓の母。戒律守り,不浄の手をもって水瓶を取らず,袈裟を着けないで仏の前に出ることはなかった。出家後はひたすら阿弥陀仏を念じ,法華経を3000回以上読誦し,100万遍の念仏を数百度行ったという。夢に仏が常に来て守護しているとみて臨終を迎え,五色の糸を手に持って没した。母子共に往生者となった一例である。<参考文献>鎮源選『法華験記下巻,三善為康選『拾遺往生伝』中,『今昔物語集』15巻

(西口順子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「釈妙」の解説

釈妙 しゃくみょう

?-992 平安時代中期の尼僧
叡桓(えいかん)の母。戒律をまもり,一生の間に法華経(ほけきょう)を3000回余よんだという。正暦(しょうりゃく)3年死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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