里人(読み)サトビト

デジタル大辞泉 「里人」の意味・読み・例文・類語

さと‐びと【里人】

その里に住んでいる人。その土地の人。
「薪とる―の話によれば」〈樗牛滝口入道
田舎に住む人。
里方の人。実家の人。
「御かたがたの―侍りつるなかに」〈・花宴〉
宮仕えに出ないで、里にいる者。
白馬あをうま見にとて、―は車きよげにしたてて見に行く」〈・三〉

り‐じん【里人】

村の人。さとびと。

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精選版 日本国語大辞典 「里人」の意味・読み・例文・類語

さと‐びと【里人】

〘名〙
① 宮仕えをしないでいる人。一般の民間人。また、宮仕えをせず、結婚生活を送っている婦人。また、宮中奉仕の女性で、自宅にさがっている人。新参、臨時の女官などで、自宅にいることの多い人。
古事記(712)下・歌謡「宮人の 足結(あゆひ)の子鈴 落ちにきと 宮人響(とよ)む 佐斗毘登(サトヒト)もゆめ」
② 実家の人。里方の人。
源氏(1001‐14頃)花宴「御かたがたの、さと人侍る中に」
③ その土地に住んでいる人。また、同じ里に住んでいる人。
書紀(720)崇神八年四月(北野本南北朝期訓)「高橋(たかはし)の邑人(サトヒト)活日(いけひ)を以(も)大神(をほむかみ)の掌酒(さかひと)とす」
④ 自分がもといた土地に住んでいる人。ふるさとびと。
※源氏(1001‐14頃)須磨「山がつのいほりにたけるしばしばも言問ひ来なん恋ふるさと人」
村里に住む人。いなかの人。
※世阿彌筆本謡曲・江口(1384頃)「ゆえありげなる人のあととみえて候。さと人にたづねばやと存候

り‐じん【里人】

〘名〙 村の人。さとびと。
※俳諧・蕪村句集(1784)夏「夜水とる里人の声や夏の月」 〔荘子‐庚桑楚〕

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普及版 字通 「里人」の読み・字形・画数・意味

【里人】りじん

村人

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