重重(読み)ジュウジュウ

デジタル大辞泉 「重重」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐じゅう〔ヂユウヂユウ〕【重重】

[副]
同じことを何度も繰り返すさま。かさねがさね。「重重不始末、なにとぞお許しください」
十分であるさま。よくよく。「重重承知の上のことです」
[名]
幾重にもかさなっていること。また、その各層
「塔の―に火を付けけるが」〈太平記・二一〉
段階
「同じ上手なりとも、そのうちにて―あるべし」〈花伝・三〉
[類語]くれぐれくれぐれも返す返すよくよくとくととっくり重ね重ね幾重にも重ねて再び再度再三再三再四再再又又又もまたもやたびたび何度も念入りまたぞろ懲りずまに二の舞性懲しょうこりもないてつを踏む前車のてつを踏むてつを踏む改めてまたしてもよくしばしばちょくちょく往往ちょいちょいしきりしょっちゅう幾度頻繁頻頻しげしげ足繁くあまたたびまた二度と二度と再びくどくどうだうだぐだぐだくだくだたらたらああだこうだ四の五の四の五の言う

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精選版 日本国語大辞典 「重重」の意味・読み・例文・類語

おもおも‐し・い【重重】

〘形口〙 おもおもし 〘形シク〙
① 地位身分が高くて威厳がある。かんろくがある。⇔軽々しい
落窪(10C後)四「あまたの子生み出でて、いとおもおもしくて、まゐりまかでしける」
性格態度、表現などがこせこせしていない。落ち着いて慎重なさまである。ゆったりとしている。⇔軽々しい
源氏(1001‐14頃)澪標「母みやすむ所、いとおもおもしく心ふかきさまにものし侍りしを」
③ 尊重しなければならないという感じがする。おもだっている。丁重に扱うべきである。⇔軽々しい
※源氏(1001‐14頃)若菜上「をもをもしき御めのとのせうと、左中弁なる、かの院のしたしき人にてとしごろつかうまつるありけり」
④ 気分が浮き立たず、暗く沈んだ感じである。
※人情本・花筐(1841)初「傍で引立てるやうにしてくれるけれど、サテどうも気が重々しくッて困るのサ」
⑤ いかにも重量があるという感じである。
※おとづれ(1897)〈国木田独歩〉上「泥を噛む轍の音重々(オモオモ)しく聞えつ、車来りぬ」
おもおもし‐げ
〘形動〙
おもおもし‐さ
〘名〙

じゅう‐じゅう ヂュウヂュウ【重重】

[1] 〘名〙
① (形動) 幾重にも重なっていること。重なりあうこと。また、そのさま。ちょうちょう。
※本朝麗藻(1010か)上・花色照青松〈大江以言〉「花色重々徳及隣、青松引照仮濃春
※太平記(14C後)二一「松明(たいまつ)を振上げて、塔の重々(ヂウヂウ)に火を付けけるが」 〔隋煬帝‐望江南詩〕
② 重なりあうところ。段階。わかれ目。
※梵舜本沙石集(1283)七「今生の心の趣き、行徳知恵の分に随て、重々不同ありと云へり」
[2] 〘副〙 かさねがさね。たびたび。よくよく。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※虎明本狂言・箕被(室町末‐近世初)「さればされば、重々そなたのが道理じゃ」

おも‐おも【重重】

〘副〙
① (「と」を伴って用いられることが多い) (態度などが)どっしりと落ち着いているさま。重々しく。
史記抄(1477)一九「ちっと重々として、節義を本にする処かあるぞ」
② いかにも重そうなさま。ずっしり。
※歌舞伎・東海道四谷怪談(岩波文庫所収・白藤本)(1825)四幕「御病人に似合ぬ、一とかたげにおもおも盛て、三、四ぜん」
言動が鈍いさま。のろのろ。ゆっくり。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉をかし「招待の謝をのべ〈略〉最後に口重々(オモオモ)と陳じて曰く」

かさね‐がさね【重重】

〘副〙 (動詞「かさねる(重)」の連用形を重ねたもの)
① 幾度も繰り返すさま。たびたび。しばしば。
※玉塵抄(1563)一六「よい香のする酒はかさねかさねかうこと大儀なほどに」
※咄本・軽口御前男(1703)一「かさねがさねのぶ調法申ました」
② 事態がはなはだしいさま。自分の心情を述べるときなどに用いる。ますます。ひとえに。じゅうじゅう。
※虎明本狂言・比丘貞(室町末‐近世初)「『又此いはひに、おあし百貫まいするぞ』『かさねかさねかたじけなふ御ざる』」

かさね‐じゅう ‥ヂュウ【重重】

〘名〙 幾組も重ねることができるように作った重箱。組重(くみじゅう)

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