野口赫宙(読み)のぐち かくちゅう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「野口赫宙」の解説

野口赫宙 のぐち-かくちゅう

1905-1997 昭和-平成時代の小説家
明治38年10月13日朝鮮大邱生まれ。昭和7年朝鮮の小作農苦闘をえがいた「餓鬼道」が「改造」の懸賞小説に当選する。野口桂子と結婚し,戦後の27年日本国籍を取得。平成9年死去。92歳。大邱高等普通学校卒。本名は野口稔。別名張赫宙(チヤン-ヒヨクチユ)。作品はほかに「追はれる人々」「嗚呼(ああ)朝鮮」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の野口赫宙の言及

【張赫宙】より

…被圧迫民族の怒りと抵抗を骨太な筆致で描いたが,39年《加藤清正》で自国への侵略者を英雄として賛美し,〈朝鮮の知識人に訴ふ〉,《岩本志願兵》などで日本帝国主義の〈皇民化〉政策に荷担した。52年日本に帰化,筆名を野口赫宙とした。作品集《権といふ男》(1934),長編《人間の絆》(1941),《嗚呼朝鮮》(1952)などがある。…

※「野口赫宙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android