野宿(読み)のじゅく

精選版 日本国語大辞典 「野宿」の意味・読み・例文・類語

の‐じゅく【野宿】

〘名〙 (「のじく」とも) 野山屋外で宿泊すること。露宿。のやどり。やしゅく。
今昔(1120頃か)二五「阿久利川の辺に野宿したるに」
滑稽本浮世床(1813‐23)初「後世に名を残すほどのお人だから野宿(ノジク)もせうし」

や‐しゅく【野宿】

〘名〙 山野や屋外で宿泊すること。露宿。のじゅく。
江都督納言願文集(平安後)五・帥三位千日講「山路難留、泣帰家園、野宿不耐、忍无陪仕」 〔陶潜‐勧農詩〕

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デジタル大辞泉 「野宿」の意味・読み・例文・類語

の‐じゅく【野宿】

[名](スル)野外で寝泊まりすること。露宿。「山中野宿する」
[類語]外泊泊まる寝泊まり宿泊素泊まり旅宿投宿止宿旅寝仮寝宿る合宿泊まり泊まり込む泊まり込み旅枕草枕分宿来泊泊まり掛け同宿露営宿営野営宿を取る

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日本歴史地名大系 「野宿」の解説

野宿
あしのしゆく

[現在地名]那須町芦野

芦野町に置かれた奥州街道下野北端の宿で、南の越堀こえぼり宿(現黒磯市)から二里一一町余、北の陸奥国白坂しらさか宿(現福島県白河市)まで三里四町余。奥州二〇余藩の参勤交代路であった。寛文一二年(一六七二)伝馬不足が生じ、黒羽藩領・那須藩領の村々を助馬村にすることで補充している(渡辺太文書)。享保一三年(一七二八)の当分助郷帳(熊久保康正文書)によれば、高三千四二〇石、助郷村数四九ヵ村。

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改訂新版 世界大百科事典 「野宿」の意味・わかりやすい解説

野宿 (のじゅく)

野山などの屋外に泊まること。露宿とも言い,宿泊形態としてはもっとも原初的なものである。日本における旅宿の発生は古代末期もしくは中世初期ころと言われるが,全国的に施設が整備されるのは近世になってからである。したがって,旅人夜露をしのぐこともできぬまま一夜を明かさなければならない時代は,相当長く続いたと言ってよい。とくに古代においては,王侯貴族でさえ野宿を余儀なくされる場合が多く,〈草枕〉が旅の枕詞とされていることが如実にそれを示している。実際に野宿をする場所は必ずしも草原とは限らず,岩陰や橋の下などがむしろ好まれたようである。また,冬季積雪地帯では雪洞を掘って泊まることも行われた。
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普及版 字通 「野宿」の読み・字形・画数・意味

【野宿】やじゆく

野ざらしのところでねる。

字通「野」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の野宿の言及

【柴】より

…また柴で囲って神域を示したり,悪霊から身を守ったりもした。山野で野宿する際には,四隅に柴を挿して山の神から地面を借りる風があり,こうしないと神のたたりをうけるという。頭屋神事では,祭場の中心に神の依代として柴を立てたり,祭場の境に柴を立てて神域とした。…

※「野宿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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