の‐ちょう ‥チャウ【野帳】
〘名〙
①
江戸時代、
検地の際に
野外で記入する仮の
帳簿のこと。
田畑を実測したものを一筆ごとに
手帳に記載し、それを浄書したもの。これを
百姓に貸渡して
相違の有無を尋ね、訂正を加えて浄書したものを
清野帳といい、検地帳作成の基とした。
※
牧民金鑑‐九・検地・元祿七年(1694)四月「検地之時、
間数野帳記候跡〈略〉入念時々改置」
③ 実地調査の記録帳。
や‐ちょう ‥チャウ【野帳】
〘名〙
① 江戸時代、検地の際に野外で記入した仮の帳簿。検地帳作成の基としたもの。のちょう。
② 実地調査の記録帳。のちょう。〔工学字彙(1886)〕
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デジタル大辞泉
「野帳」の意味・読み・例文・類語
の‐ちょう〔‐チヤウ〕【野帳】
1 江戸時代、検地の際に野外で記入した仮の帳簿。これを清書したものを清野帳といい、検地帳作成の際の基礎帳簿とした。やちょう。
2 会葬者の名を記す帳面。
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野帳
のちょう
江戸時代、検地のとき、田畑などの現場(野)で記帳した帳簿。半紙横折りの帳簿で、検地の際、実測した土地の地字(じあざ)、地番、縦横の間数(けんすう)、名請人(なうけにん)、面積などを記載した。実測して墨書した間数のわきに、中畦(なかあぜ)、縄たるみなどを差し引いた正味の間数を朱書(しゅしょ)し、その朱書間数で正味の面積を出し、墨書した面積のわきに同じように朱書した。これが野帳で、この野帳を清書したものを清野帳(せいのちょう)といい、やはり半紙横折りの帳簿で、そこにはほぼ野帳で朱書した間数、面積が清書された。その清野帳に検地奉行(ぶぎょう)が調印し、村方へ貸し渡して写し取らせ、算違(さんちが)い・字違(あざちが)いなどがあれば、付札にて提出させた。それを検地帳作成の基礎帳簿とした。
[川鍋定男]
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