野村宗十郎(読み)のむら・そうじゅうろう

朝日日本歴史人物事典 「野村宗十郎」の解説

野村宗十郎

没年:大正14.4.23(1925)
生年:安政4.5.4(1857.5.26)
明治期中ごろから大正期の印刷人。長崎に生まれ,本木昌造新街私塾に学ぶ。明治期から昭和初頭にかけ,活版印刷の興隆に大きな貢献をした東京築地活版製造所に明治22(1889)年入社,その後支配人,社長として,金属活字の品質の向上,書体の改良,さらに印刷機械を含む各種の印刷機具類の製造整備に努めた。印刷書体の「築地体」として名高い明朝体の数多くの改刻の実施,明治期末から大正期に新聞や書籍に本格的に使用されるようになった和文ポイント活字の創始と普及,国字国語について文部省の国語調査会委員を務めて字体や可読性の調査研究を行うなどの業績がある。<参考文献>東京印刷同業組合編『日本印刷大観』,川田久長『活版印刷史』,日本印刷年鑑’68年版別冊『印刷100年の歩み』,矢作勝美『明朝活字

(森啓)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「野村宗十郎」の解説

野村宗十郎 のむら-そうじゅうろう

1857-1925 明治-大正時代の印刷業者。
安政4年5月4日生まれ。本木昌造の新街私塾でまなび,明治22年東京築地(つきじ)活版製造所に入社。和文ポイント活字を創製し,これが新聞印刷で採用されるなど,印刷技術の革新に寄与した。40年社長。大正14年4月23日死去。69歳。肥前長崎出身。旧姓服部

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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