家庭医学館 の解説
やきゅうひじとうしゅひじりとるりーぐひじ【野球肘(投手肘/リトルリーグ肘) Baseball Elbow】
野球の投球時には、肘の内側に強い外反力(がいはんりょく)がはたらきます。そのため、手関節や指関節の屈筋回内筋群(くっきんかいないきんぐん)、内側側副靱帯(ないそくそくふくじんたい)に負担がかかり、肘の内側、外側、後側に痛みが生じるもので、使いすぎ症候群(「使いすぎ症候群」)の1つです。
●原因となる野球以外のスポーツ
野球肘といわれる損傷の60%弱は、野球でおこりますが、バレーボール、テニス、ソフトボール、バドミントン、ボート、槍(やり)投げでもおこることがあります。
[治療]
少なくとも2週間は原因となったスポーツを中止し、痛みをとるために抗炎症薬や鎮痛薬を服用します。
その後、約1か月間、肘周辺の筋力アップをはかるリハビリテーションを行ないます。
関節鼠(かんせつねずみ)(「関節遊離体(関節鼠)」)の状態になっていれば、骨片(こっぺん)を取り除く手術が必要です。この場合、約2か月間のリハビリテーションが必要になります。
投球フォームが正しくないときは、フォームの是正が必要です。
[予防]
少年野球では、変化球を投げることを禁止したり、投球数を制限します。そうしないと、変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)に進行して痛みが強くなり、関節の動きが障害されることがあるとされています。
練習前後のストレッチ、筋力トレーニング、練習直後のアイスマッサージやアイシング(冷却)が有効です。