野鴨(読み)ノガモ

デジタル大辞泉 「野鴨」の意味・読み・例文・類語

のがも【野鴨】[戯曲]

原題、〈ノルウェーVildandenイプセン戯曲。5幕。1884年作。写真師ヤルマル一家の平和な生活が、妻の過去が露見したことから崩壊していく過程を象徴的に描いた悲劇

の‐がも【野×鴨】

野生カモ

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精選版 日本国語大辞典 「野鴨」の意味・読み・例文・類語

の‐がも【野鴨】

[1] 〘名〙 野生の鴨。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
[2] (原題Vildanden) 戯曲。五幕。イプセン作。一八八四年成立。金持の息子グレーゲルスが、写真師ヤルマールの妻の過去を口外することから起こる悲劇を、一羽の野鴨にまつわらせつつ、象徴的な写実技法で描いた。大正二年(一九一三)、有楽座で土曜劇場と吾声会が初演

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「野鴨」の意味・わかりやすい解説

野鴨
のがも
Vildanden

ノルウェーの劇作家 H.J.イプセンの戯曲。5幕。 1884年刊,翌年初演。虚偽のうえに築かれた3代にわたるエクダル家が,無謀な一理想家による娘の出生の秘密の暴露で動揺し,ついに娘の自殺によって崩壊する過程を描く。理想や真実の追求に対して疑惑の影を投げかけ,イプセンの作風転換期を画す作品。

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