金元鳳(読み)きんげんぽう(英語表記)Kim Wǒn-bong

改訂新版 世界大百科事典 「金元鳳」の意味・わかりやすい解説

金元鳳 (きんげんぽう)
Kim Wǒn-bong
生没年:1898-?

朝鮮の民族革命運動家。慶尚南道出身。別名金若山申采浩の思想的影響を受ける。三・一独立運動後義烈団を組織して武力抗争に入る。1935年金奎植と共に朝鮮民族革命党を組織,日中戦争以後は朝鮮義勇隊を率いて抗日戦に参加し中国大陸で活躍する。43年大韓民国臨時政府(重慶)軍務局長,45年12月ソウルに帰り,民主主義民族戦線議長となる。南北分断に反対して統一運動を推進,48年4月平壌の南北連席会議出席。その後は北朝鮮に残り,朝鮮民主主義人民共和国創建後は政府閣僚その他の要職を歴任した。民族主義左派の指導者として南北朝鮮に大きな影響を与えた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の金元鳳の言及

【義烈団】より

…三・一独立運動の非暴力路線にあきたらない金元鳳らが,朝鮮独立の精神を高揚する目的で1919年に組織した団体。同年11月10日満州吉林省で結成,当初の同志は13名。…

【朝鮮独立同盟】より

…太平洋戦争の時期に中国延安の解放区に拠点をおいて活動した朝鮮人共産主義者による抗日民族統一戦線組織。日中戦争下の1938年武漢で,抗日戦に参与すべく金元鳳らが朝鮮義勇隊を組織したが,武漢陥落後その中の共産主義的な部分は延安に移り,移動途上で41年1月組織した朝鮮青年連合会を42年7月朝鮮独立同盟に発展させた。金枓奉(きんとほう),崔昌益(さいしようえき)らが指導者。…

※「金元鳳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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