金剛経(読み)コンゴウキョウ

デジタル大辞泉 「金剛経」の意味・読み・例文・類語

こんごう‐きょう〔コンガウキヤウ〕【金剛経】

金剛般若はんにゃ」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「金剛経」の意味・読み・例文・類語

こんごう‐きょう コンガウキャウ【金剛経】

正法眼蔵(1231‐53)心不可得「われはこれ周金剛王なり、金剛経に長ぜり、通達せずといふところなし」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金剛経」の意味・わかりやすい解説

金剛経
こんごうきょう

仏教経典。正しくは『金剛般若波羅蜜経(はんにゃはらみつぎょう)』という。サンスクリット本、チベット本のほかに、漢訳本は6種あり、鳩摩羅什(くまらじゅう)訳がもっとも古く名高い。紀元前後ごろからおこった大乗仏教運動の先駆をなす般若経典に属し、小さな経であり空(くう)の語はみえないが、その思想、すなわちいっさいのものにとらわれず超越すべきことが非常に巧みに説かれている。中国日本でも、とくに禅の系統でこの経典が大いにもてはやされた。

[三枝充悳]

『中村元・紀野一義訳注『般若心経・金剛般若経』(岩波文庫)』

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百科事典マイペディア 「金剛経」の意味・わかりやすい解説

金剛経【こんごうきょう】

正しくは金剛般若波羅蜜(はんにゃはらみつ)経。般若系経典の一つ。1巻。クマーラジーバ(鳩摩羅什(くまらじゅう))の漢訳が通行本。真実の知恵通常認識によっては得られず,空によることを明らかにする。中国,日本の禅宗で重んじられた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金剛経」の意味・わかりやすい解説

金剛経
こんごうきょう

金剛般若波羅蜜経」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の金剛経の言及

【金剛経信仰】より

…《金剛般若経》の功徳を期待する信仰。金剛経の漢訳は現存するだけでも6訳があり,註疏(ちゆうそ)は無数にのぼる。また山東省泰山には磨崖の大字石経が残るなど,古来この信仰がいかに流布したかを物語る。…

【金剛般若経】より

…玄奘訳《大般若経》では第9会をなす。略称《金剛経》。本経の成立に関しては,他の般若経典に先立って成立したとする説と,他の般若経典に遅れてその要約として作られたとする説がある。…

【写経】より

… とくに南北朝,隋・唐時代には,漢訳仏典の総集で数千巻もある《一切経》(《大蔵経》)を写して寺におさめ,また宮廷や貴族の邸宅に備えることがおこなわれるようになり,写経の専門家や写経事業運営の官制まで発達するにいたった。書写の年月日と写経者,装潢(そうこう)者,初校・再校・3校者,祥閲の僧数名,書経事業監督官まで巻末に列名している675年(上元2)の《金剛経》のごときは,唐朝写経制度を推察するのによい例である。南朝では斉の明帝が《一切経》を写し,陳になると武帝が《一切経》を12部,文帝が50部,宣帝が12部をつくっており,北朝では斉の孝昭帝が先皇のために《一切経》12部を写したことがみえ,また北魏の馮熙(ふうき)(文明皇太后の父)が16部の《一切経》をつくり,陳の徐陵,江総などの名士も《一切経》を写した。…

※「金剛経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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