金屋(釜師)(読み)かなや

世界大百科事典(旧版)内の金屋(釜師)の言及

【鋳物師】より

…鎌倉末期,左方に代わって右方の支配下に入った鎮西鋳物師は,南北朝期には大宰府の補任する宰府惣官に統轄され,室町期にかけて,長門国大工,備後国大工のごとく,守護によって補任された1国ないし数国の大工,惣官も現れる。鎌倉後期には確認される各地の鉄屋=金屋(かなや)は,鋳物師の集住する作業場であり,諸国鋳物師はそこを根拠に,1国ないし数国を商圏とし,守護の保証の下に生産,交易に従事するようになった。1413年(応永20)の越中国鋳物師は棟梁20宇,寄人を合わせて250宇であったが,これはかなり大規模な集団であろう。…

【金屋子神】より

…単に金屋神とも,また金鋳神(かないがみ)ともいう。たたら師,鉄穴師(かんなじ),鍛冶,鋳物師(いもじ)などの間で祭られている火の神・製鉄の神。…

【釜師】より

…古くは釜作専業ではなかったが,室町時代以降,茶の湯の流行に伴い,京都三条釜座がおこると,釜作を専業とする鋳物師が輩出し,釜屋と称し,茶人の好みに応じた釜を鋳造するようになった。足利将軍家においては御釜師の名称も用いられたといわれるが,釜の発祥地とされる筑前芦屋や下野(しもつけ)天命では金屋を称しており,いわゆる鍋・釜や梵鐘,釣灯籠なども製作していたが,金屋大工が一般に釜師と称されるようになったのは,京釜が隆盛した安土桃山時代以後のことと考えられる。1700年(元禄13)に西村道冶が著した《釜師之由緒》には〈一,紹鷗時代京都天下一西村道仁,名越善正也。…

※「金屋(釜師)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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