金山町(読み)かねやままち

日本歴史地名大系 「金山町」の解説

金山町
かねやままち

面積:二九三・九七平方キロ

郡最西端に位置し、談合だんごう峰・御神楽みかぐら岳・日尊倉ひそのくら山など越後山脈御神楽山塊を分水界として新潟県上川かみかわ村に接し、町の西端只子ただこ沢、まる山、大妻おおつま山の山塊で南会津郡只見ただみ町との境界をなし、南は馬追うまおい山で昭和しようわ村と、東は高森たかもり山・三坂みさか山で三島みしま町と接する。町域の九〇パーセントが林地を占める緑豊かな山村で、沼沢ぬまざわ湖を有する観光の町でもある。町の中央を只見川が東流し、川口かわぐち地内で北流する野尻のじり川を合する。大小河川を縫うように、国道二五二号(旧沼田街道)・国道四〇〇号(旧田島街道)が走り、地方主要道横田よこた布沢ふざわ線が敷かれている。

本名の寺岡ほんなのてらおか地内から縄文時代中・後期の遺跡がみつかり、只見川流域の標式的土器編年に用いられている。また宮崎みやざき遺跡出土の弥生土器は会津から北関東にかけての編年に用いられている。大志おおし地区の糠塚ぬかづか古墳は奥会津地方では稀有な存在で、古墳時代後期の円墳といわれる(金山町史)。古代から中世にかけての只見川流域は早くから開け、越後国津川つがわ(現新潟県津川町)から常浪とこなみ川をさかのぼって御神楽岳を越え、只見川沿いの諸道と連絡しあう古代ルートの存在が知られている。

金山町
かなやまちよう

面積:一六七・六八平方キロ

益田郡の南西部にあり、東は下呂げろ町・馬瀬まぜ村、南は加茂郡白川しらかわ町・七宗ひちそう町、西は郡上ぐじよう和良わら村・武儀むぎ上之保かみのほ村、北は郡上郡明方みようがた村。町域は南北に細長く、北端から南流する弓掛ゆがけ川が卯野原うのはら付近で馬瀬川に注ぐ。東仙とうせん峡金山湖から流れ出た馬瀬川は川・横谷よこだに川などを合せながら南へ流れ下り、金山付近で北東から流れる飛騨川(益田川)に注ぐ。飛騨川は菅田すがた川を合せ景勝地藤倉ふじくら峡を経て白川町に入る。集落は川沿いに点在する。町域はかつては飛騨国益田郡、美濃国加茂郡・郡上郡・武儀郡からなり、近世後期には益田郡(下原郷五ヵ村・中呂郷一ヵ村)六ヵ村・加茂郡一ヵ村・郡上郡一二ヵ村・武儀郡四ヵ村であった。

金山町
かねやままち

面積:一六一・五四平方キロ

郡の北東部に位置し、東は秋田県雄勝おがち郡雄勝町、南は新庄市、西・北は真室川まむろがわ町に接する。東方は神室かむろ(一三六五・二メートル)を主峰とする神室山地の山並が連なり、同山系を水源とする真室川(鮭川)支流金山川が町の中央部をほぼ南西流し、南部で西流する上台うわだい川を合せる。北部は同じく真室川支流中田春木なかだはるき川が西流する。おもな集落・耕地はこれら河川の流域に展開する。町域の六割以上を山林が占めるが、寒冷・多湿の気候は杉の生育に適し、金山杉と称される手入れの行届いた杉の美林で知られる。西部を国道一三号が縦断し、金山で同三四四号が西方へ分岐する。町の中心部に近い金山の本町もとまち遺跡からは、縄文時代中期の一三棟の竪穴住居跡、および立石による祭祀遺跡と考えられる遺構などが発掘され注目される。

金山町
かねやままち

[現在地名]金山町金山

金山川の中流域に位置し、現金山町域の中心部にあたる。郷帳類では金山三ヵ村と通称される金山内町かねやまうちまち(金山内古城前・金山古城前とも称した)金山七日町かねやまなのかまち村・金山十日町かねやまとおかまち村の三ヵ村に分れて高付されるが、近世、この三ヵ村で羽州街道の宿場町を形成し、金山町とよばれた。文政年間(一八一八―三〇)より庄屋も三ヵ村で一人となった(増訂最上郡史)。新田本村鑑では枝郷としてはば(羽場)魚清水うおのしみず荒屋あらやをあげ、上台うわだい村との入会とみえる。金山郷の交通・商業などの中心地で、三・七・九の九斎市が立ち有力な商人層も育った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金山町」の意味・わかりやすい解説

金山〔町〕
かねやま

山形県北部,新庄盆地の北縁から神室 (かむろ) 山地の間にある町。新庄市の北に位置し,北東は秋田県に接する。 1925年町制。地名は金銀の鉱山が多かったことに由来するといわれる。中心集落の金山は江戸時代に羽州街道の宿場町として発展。もとは秋田の小野寺義道の領地でやがて最上義光の領地となる。最上義光の家臣丹与惣左衛門が城を築いたが,のち廃城。中央を南西流する金山川流域の米作を中心に野菜,花卉などを産する。山林が広く,北東部の山地ではスギが多く美林をなす。製材業,製炭業も行われる。金山川の渓谷は景勝地。西部には谷口銀山の名残りがある。東端の神室山西麓一帯は栗駒国定公園に属する。国道 13号線が通る。面積 161.67km2。人口 5071(2020)。

金山〔町〕
かねやま

福島県西部にある町。 1955年沼沢,川口,本名,横田の4村が合体して金山村となり,58年町制。只見川本流と野尻川の合流点に中心集落の川口がある。多くの発電所があり,只見電源開発地域の一部をなす。野尻川沿いには八町,玉梨,只見川筋には滝沢,大塩,橋立,湯倉の温泉群がある。横田地区の大塩には塩井があり,明治初期まで製塩に利用した。米作と観光がおもな産業で,スキー場や休養村センターなどの整備が進んでいる。カルデラ湖沼沢湖只見柳津県立自然公園の中心をなす。 JR只見線,国道 252号線が通る。面積 293.92km2。人口 1862(2020)。

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