金明竹(読み)キンメイチク

デジタル大辞泉 「金明竹」の意味・読み・例文・類語

きんめい‐ちく【金明竹】

マダケ栽培品種全体黄金色で、葉には初め黄色でのちに白く変わる縦線がある。主に、観賞用。

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精選版 日本国語大辞典 「金明竹」の意味・読み・例文・類語

きんめい‐ちく【金明竹】

[1] 〘名〙 マダケの栽培品種。稈(かん)、枝は黄色を帯び緑条が入る。竹の皮は黄色。しまだけ。ひょんちく。あおきたけ。きんぎんちく。べっこうちく。〔和漢三才図会(1712)〕
[2] (「錦明竹」とも) 落語。寛政二年(一七九〇)頃、医者の石井宗叔作。何度もくりかえす上方弁の早口口上と、話のとり違えのおかしさできかせる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金明竹」の意味・わかりやすい解説

金明竹
きんめいちく

落語。『寿限無(じゅげむ)』とともに早口でしゃべる前座咄(ぜんざばなし)の代表作。与太郎店番をしているところへきた中橋の加賀屋佐吉の使いが「先度仲買(せんどなかが)いの弥市が取り次ぎました道具七品(ななしな)のうち、祐乗(ゆうじょ)・光乗(こうじょ)・宗乗三作(そうじょさんさく)の三所物(みところもの)、並びに備前長船(びぜんおさふね)の則光(のりみつ)、四分一(しぶいち)ごしらえ横谷宗珉小柄付(よこやそうみんこづかつ)きの脇差(わきざし)、柄前(つかまえ)はな、旦那(だな)はんが古鉄刀木(ふるたがや)と言やはって。やっぱりありゃ埋木(うもれぎ)じゃそうに、木(き)ぃが違(ちご)うておりますさかいなぁ、念のためちょとおことわり申します。次はのんこの茶碗(ちゃわん)、黄檗山(おうばくざん)金明竹、寸胴(ずんどう)の花活(はないけ)、“古池や蛙(かわず)飛び込む水の音”と申します、あれは風羅坊正筆(ふうらぼうしょうひつ)の掛物(かけもの)で……」と早口で、与太郎とあとから応対に出た女房を前に、この口上を計4回しゃべって帰ってしまう。帰ってきた主人が女房に尋ねるがいっこうにらちがあかず、「はっきりしたところを一所(ひとところ)ぐらい?」「思い出しました。古池へ飛び込みました」「あの人には道具七品を預けてあるが買ったかなぁ」「買わず(蛙)でございます」。前半、主人が出かけるまでの与太郎とのやりとりは初代石井宗叔(そうしゅく)(?―1803)の作であるが、後半の金明竹の口上は大阪で付加されたと伝えられている。

[関山和夫]

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デジタル大辞泉プラス 「金明竹」の解説

金明竹(きんめいちく)

古典落語演目ひとつ江戸から大阪に移り、再度東京に戻されている。代表的な前座噺のひとつ。「長口上」とも。三代目三遊亭金馬が得意とした。オチは地口オチ。主な登場人物は、与太郎。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「金明竹」の解説

金明竹 (キンメイチク)

学名:Phyllostachys bambusoides
植物。イネ科の真竹の品種

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