金海(読み)きんかい(英語表記)Kimhae

精選版 日本国語大辞典 「金海」の意味・読み・例文・類語

きんかい【金海】

〘名〙 高麗焼(こうらいやき)一つ朝鮮の慶尚南道金海から産出した茶碗薄作りで不透明な白色で、薄赤色の斑があり、茶人が珍重するもの。キンパイ。〔和漢三才図会(1712)〕

キンパイ【金海】

〘名〙 (gɯm-hai 「金海」の朝鮮漢字音) =きんかい(金海)

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デジタル大辞泉 「金海」の意味・読み・例文・類語

きんかい【金海】

高麗茶碗の一。朝鮮半島慶尚南道金海で産出した御本ごほん茶碗。薄作りで、不透明な白色に薄赤色のはんがある。キンパイ。

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改訂新版 世界大百科事典 「金海」の意味・わかりやすい解説

金海 (きんかい)
Kimhae

韓国,慶尚南道の南西部に位置し,釜山市に隣接する都市。市の北界および東界を流れる洛東江が北部に進永平野,東部には韓国唯一の三角州平野である金海平野を発達させており,嶺南地方最大の穀倉地帯にある。市の中央を南海高速道路が走り,西の昌原・馬山工業地帯,東の釜山工業地帯を自動車で一時間たらずで結ぶ。これらの大消費地を背景として,園芸,果樹,畜産などの近郊農業が盛んであったが,近年釜山から中小工業が多数移動してきたほか商業の発達が著しい。人口は95年現在26万4965に達している。金海平野一帯は古代金海加羅の本拠地となったところであり,金海邑周辺には遺跡が多い。また,韓国最大の同姓氏族である金海金氏の出身地として有名である。洛東江下流の三角州の中央に1976年金海国際空港が建設され,開港とともに三角州全体が釜山市へ編入された。
執筆者:

金海市鳳凰洞の鳳凰台と呼ばれる丘陵にある,無文土器時代(青銅器時代)から三国時代にわたる遺跡。1920年,34-35年の本格的な発掘調査の結果,各種の遺構や遺物が検出された。無文土器時代には,支石墓1,箱式石棺墓5,甕棺墓3からなる墓地が営まれた。甕棺墓の内外からは,碧玉製管玉,細形銅剣,銅鉇(どうし)が出土し,石棺墓内からは,丹塗磨研土器と磨製石鏃が出土した。ついで,原三国時代では,住居が営まれ,貝塚が形成された。住居跡は,炉跡を伴う敷石の竪穴式である。貝層は東西約120m,南北約30mの範囲で,とくに丘陵南面の厚いところは厚さ約6mに堆積する。貝層出土の土器は,赤褐色をした無文土器系統の土器に加えて,黝青(ゆうせい)色の陶質土器が加わる。骨角器,鉄器,炭化米,貨泉など特色ある遺物が含まれる。三国時代では,金海加羅および新羅の陶器を検出するが,遺構はわからない。
金海式土器
執筆者:

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百科事典マイペディア 「金海」の意味・わかりやすい解説

金海【きんかい】

韓国,慶尚南道南東部,洛東江西側の古都。古く弁韓に属したが,42年金首露王によって金官伽耶(かや)が建国された。一時日本が進出して任那(みまな)府を置いた。その後新羅に併合されて金官郡となり,景徳王の時に金海と改称された。文禄・慶長の役の古戦場付近は肥沃な金海平野で,金海米,麦,果実を産する。金海遺跡,三渓瀑布など古跡名勝が多い。1976年に金海国際空港が建設された。43万2000人(2005)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金海」の意味・わかりやすい解説

金海
きんかい / クムヘ

韓国(大韓民国)、釜山(ふざん/プサン)広域市に接する慶尚南道(けいしょうなんどう/キョンサンナムド)の市。面積463.26平方キロメートル、人口33万0829(2000)。1981年、市に昇格。95年、金海郡と統合。古代、駕洛(からく)国の中心地であり、古墳群、貝塚が散在する。洛東江(らくとうこう/ナクトガン)下流域の広い平野に展開し、気候が温和である。古くから生産性の高い農業地帯で、近郊農業と遠郊農業に加え、酪農業も盛んである。

[森 聖雨]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金海」の解説

金海 きんかい

1570-1622* 朝鮮王朝の陶工。
宣祖4年生まれ。文禄(ぶんろく)4年朝鮮に出兵した島津義弘の帰国の際つれてこられ,慶長元年大隅(おおすみ)(鹿児島県)帖佐(ちょうさ)に窯をひらいたという。士族にとりたてられ,星山仲次と名のる。のち鹿児島城下の竪野(たての)にうつり,薩摩(さつま)焼の基礎をきずいた。元和(げんな)7年12月死去。52歳。

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普及版 字通 「金海」の読み・字形・画数・意味

【金海】きんかい

日の出。

字通「金」の項目を見る

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