金目川(読み)かなめがわ

日本歴史地名大系 「金目川」の解説

金目川
かなめがわ

丹沢たんざわ山塊から流れ出、秦野はだの市・平塚市を貫流し相模湾へ注ぐ。全長約三五キロ。上流の秦野市内で葛葉くずは川・水無みずなし川と合流して南西へ流れ、平塚市域では西北から入り蛇行して南へ流れる。渋田しぶた川と合流する上平塚かみひらつか付近から下流域を花水はなみず川という。この地域の重要な農業用水として利用される一方、川床が高く昔から洪水の多い川としても有名である。

応永二八年(一四二一)一二月三日の上杉定頼書状案(県史三)に「浄光明寺領相州金目郷北方公田流失之事」とみえ、同年一二月一一日の吉岡盛胤請文案および三宮有国請文案(同書)によれば金目郷北方(現平塚市北金目辺りか)の本公田三七町五反半のうち二〇町余が流失したという。享保二〇年(一七三五)の慶長以来金目川御普請来歴書上(県史八)によれば慶長一三年(一六〇八)の洪水の際は百姓家の梁まで水につかり、この被害が聞えたためそれまで徳川家康鷹狩の際豊田とよだ清雲せいうん寺を休息所としていたのを改め御殿を新たに中原なかはらに造営することになったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金目川」の意味・わかりやすい解説

金目川
かなめがわ

神奈川県中部を流れる川。全長 21km。丹沢山地南部に発する金目川,水無川,葛葉川が秦野盆地の南東部で合流して東流,次いで南流して相模湾に注ぐ。合流点は湧水が豊富で秦野市の中心市街地を形成。下流域は相模平野西部をなし,古代から水田が開かれていた。現在も灌漑排水に重要な役割を果す。平塚市で鈴川,渋田川を合せてのちは花水川とも呼ばれる。全流域を通じて開発が進み,自然景観変容が著しく,河水の汚染が進む。

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