金輸出再禁止(読み)きんゆしゅつさいきんし

旺文社日本史事典 三訂版 「金輸出再禁止」の解説

金輸出再禁止
きんゆしゅつさいきんし

1931年12月,犬養毅内閣が行った金輸出の再禁止。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の金輸出再禁止の言及

【高橋是清】より

…27年金融恐慌に際し,田中義一新首相の懇請で蔵相となり,モラトリアムその他の処置で危機を脱すると在職42日で辞任,その無欲と政財界における信用度を示す。 満州事変勃発後政友会犬養毅内閣が成立するとまたも蔵相として入閣,大恐慌によって破綻した民政党の金解禁・緊縮財政・非募債政策を一新して,金輸出再禁止,軍備拡張と農村救済を柱とする積極財政による景気刺激政策を推進した。五・一五事件後の斎藤実内閣にも蔵相として留任,積極財政の具体化のため日本銀行券の発行限度を1.2億円から一挙に10億円に拡大し,赤字公債日銀引受けの道を開いた。…

【高橋財政】より

… 金解禁・緊縮主義の井上財政のあとをうけて犬養内閣の蔵相となった高橋には,満州事変の戦費の捻出と昭和恐慌への対処という二つの政策課題が課された。1931年12月13日,つまり蔵相就任当日に,金輸出再禁止をして金本位制を停止し,事実上の管理通貨制度への移行を行ったことによって,高橋は積極財政を展開するための前提条件をととのえた。五・一五事件後,斎藤内閣の蔵相に留任した高橋は,32年度予算を軍備拡張と時局匡救(きようきゆう)の経費を中心とした膨張予算とし,歳計の赤字は歳入補てん公債で賄う積極方針を採用した。…

※「金輸出再禁止」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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