釣掛式駆動方式(読み)つりかけしきくどうほうしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「釣掛式駆動方式」の意味・わかりやすい解説

釣掛式駆動方式
つりかけしきくどうほうしき

電動機の一端台車枠ばねまたは防振ゴムなどの緩衝装置を介して支え、他端は車軸上の割形の支え軸受によって車軸に支持する方式。これに使用するための構造とした主電動機を釣掛式電動機という。電車、電気機関車に用いられる電動機はまれには車体に装荷される場合があるが、ほとんどの車両は台車内に装荷されている。主電動機の回転力を車輪に伝える駆動装置は減速用歯車装置が併用されるのが普通で、電動機軸に小歯車、車軸に大歯車を取り付ける。この方式は構造が簡単なうえに分解・組立てが便利で、台車内での主電動機のスペースが有効に利用できる利点がある。しかし、主電動機重量の約半分がばね下荷重となり、走行に伴うレールからの衝撃を直接受けるため、歯車装置も含め電動機の構造を強固にする必要がある。同時に線路に対する影響も大きい。そこで最近では、歯車装置と主電動機の駆動力の伝達に、たわみ板や特殊な歯車を介して電動機と車軸相互の変位を許し、主電動機は台車枠に直接装荷した方式が多くなってきている。

[沼野稔夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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