鉄砲伝来(読み)てっぽうでんらい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉄砲伝来」の意味・わかりやすい解説

鉄砲伝来
てっぽうでんらい

天文12(1543)年,種子島に来たポルトガル人が初めて日本に鉄砲(→火縄銃)をもたらしたこと。伝来日時について西洋側の記録は 1542年とするものが多いが,南浦文之(→文之)の『鉄炮記』(1607)に従って 1543年とする。また『蒙古襲来絵巻』(1293?)に「てつはう」の図があるが,これは別種の爆発物と思われる。種子島時堯はこれを買い,家臣に使用法と製法を修得させたが,まもなく同じものの製作と使用が広がって,戦国諸雄の戦略に大きな変化を与えた。天正3(1575)年の『長篠合戦図屏風』には,その普及した姿がありありと描かれている。伝来の地にちなんで,この種の鉄砲を「種子島」と長い間にわたって呼んだ(→種子島銃)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「鉄砲伝来」の解説

鉄砲伝来
てっぽうでんらい

戦国時代,種子島に漂着したポルトガル人により,日本に初めて鉄砲が伝えられたことをいう
南浦文之 (なんぽぶんし) 著『鉄炮記』によると,1543(天文12)年種子島に漂着したポルトガル人の所持する鉄砲2挺を,島主種子島時堯 (ときたか) が買い求めた。以来各地の戦国大名は,この新兵器の入手につとめ,製法・使用法を学ばせ鉄砲隊を組織した。これを実戦に使って成功したのは織田信長で,長篠戦い(1575)の銃撃戦は名高い。鉄砲の普及は従来戦法・築城法に大きな変化をもたらした。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鉄砲伝来の言及

【武器】より

…また南北朝時代の終りころには鉾にかわってが現れ,室町時代に普及した。
[鉄砲伝来]
 ちょうどそのころ,一隻のポルトガル船が種子島に漂着して,日本に鉄砲を伝える。1543年(天文12)のことであった。…

※「鉄砲伝来」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android