鉄砲洲(読み)テッポウズ

デジタル大辞泉 「鉄砲洲」の意味・読み・例文・類語

てっぽう‐ず〔テツパウ‐〕【鉄砲洲】

東京都中央区湊辺りの旧称隅田川西岸の砂州で、江戸幕府鉄砲試射地であったところからという。

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日本歴史地名大系 「鉄砲洲」の解説

鉄砲洲
てつぽうず

大川(隅田川)の河口西岸で、東につくだ島があり、西は築地。銕炮洲・鉄炮洲とも書く。名称はこの地が砂洲であった寛永年間(一六二四―四四)頃、幕府鉄砲方井上氏・稲富氏により大筒の試射場が置かれたことに由来するとされ、試射場は江戸城に近いことから、のち鎌倉由比ヶ浜に移された(御府内備考)。また砂洲の形状が鉄砲に似ていたからともいわれるが(「江戸名所図会」など)、「御府内備考」はこれを誤りとしている。なお寛永江戸図には八丁はつちよう堀の南に「町ヤ」「丹羽五郎左衛門くらやしき」「松本甚内くらやしき」とあるのみで、その南はすべて海となっている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉄砲洲」の意味・わかりやすい解説

鉄砲洲
てっぽうず

東京都中央区東部,江戸時代地名。現在の湊,明石町に相当する。地名は徳川家康の入府当時,鉄砲の形をした洲の島であったことに由来。また寛永の頃,この洲で鉄砲の試射をしたことによるともいう。鉄砲洲稲荷などに名称が残る。隅田川西岸にあり,江戸時代は港として栄えた。

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