鉱泉(読み)こうせん

精選版 日本国語大辞典 「鉱泉」の意味・読み・例文・類語

こう‐せん クヮウ‥【鉱泉】

〘名〙 鉱物質の物質やガスを含むわき水。一般に一リットル中に一グラム以上の鉱物質が溶けているものをいい、温度が摂氏二五度以上の温泉に対し、それ以下冷泉をいうことも多い。炭酸泉硫黄泉塩類泉などに分類され、薬用飲料、湯治入浴に利用。〔輿地誌略(1826)〕

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デジタル大辞泉 「鉱泉」の意味・読み・例文・類語

こう‐せん〔クワウ‐〕【鉱泉】

地中から湧出する水で、固形物質やガス状物質などを一定以上含むか、湧出時の水温が一定以上のもの。広義には温泉冷泉との総称であるが、狭義には冷泉をさす。
[類語]出で湯温泉冷泉間欠泉秘湯噴泉ラジウム泉名湯霊泉

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉱泉」の意味・わかりやすい解説

鉱泉
こうせん

通俗的には、温かくはないが鉱物質を多く溶かしている水が地下から湧出(ゆうしゅつ)してくるものをいう。一方、環境省自然環境局の定める鉱泉分析法指針では、地中から湧出する水が多量の固形物質、またはガス状物質、もしくは特殊な物質を含むか、あるいは泉温周囲の年平均気温よりも著しく高いものを鉱泉と定義している。また温泉法では、鉱泉のほか、地中より湧出する水蒸気およびその他のガスを包含して温泉と定義している。日本の各地にある○○鉱泉とよばれるものは、最初に述べた通俗的な意味で名づけられたものである。

[湯原浩三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉱泉」の意味・わかりやすい解説

鉱泉
こうせん
mineral spring

湧泉中に鉱物性物質,放射性物質などを含有するもの。鉱泉という概念には温泉も含まれる。第2次世界大戦前には一般に体温より高いか低いかにより温泉と鉱泉を区別して呼称していたが,1948年の温泉法施行後はその区別もなくなった。しかし,泉温が 25℃以下の場合,冷泉と呼んで温泉と区別するのが普通である。

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百科事典マイペディア 「鉱泉」の意味・わかりやすい解説

鉱泉【こうせん】

温泉とほぼ同義であるが,水蒸気などのガス体は含めない。かつては冷泉(25℃より低温の温泉=冷鉱泉)と同じ意味で使用されていた。

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世界大百科事典(旧版)内の鉱泉の言及

【温泉】より

…地球内部の熱により温められた地下水の自然にわき出る現象が温泉である。成分に着目すれば無機物質を多量に溶かしている泉水を鉱泉と総称し,そのうち温度が比較的高いものを温泉,冷たいものを冷鉱泉と呼ぶ。 日本の温泉法(1948制定)では,温泉を,地中から湧出する温水,鉱水および水蒸気,その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で,表1の温度または物質(いずれか一つ)を有するものと規定している。…

※「鉱泉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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