錦部(読み)にしごり

世界大百科事典(旧版)内の錦部の言及

【織手】より

…広い意味では織物の織成に従事する技術労働者全体をさすが,古代・中世には平織(ひらおり)の絹や絁(あしぎぬ)ではなく,より高度な技術を要する錦,綾,羅(うすはた)などの高級織物の織成にたずさわる技術労働者に限定して用いられる場合が多い。その源流は中国,朝鮮半島から渡来した技術者集団であり,律令期以前には錦部(にしごり),漢織(あやはとり),呉織(くれはとり)などとよばれた。大宝令制によると,宮廷需要をまかなうために大蔵省所管の織部司(おりべのつかさ)に技術官人として挑文(あやとり)(養老令制では挑文師(あやのし),挑文生(あやのしよう))が置かれ,配下の品部(しなべ)である染戸(そめへ)570戸のうちに錦綾織,呉服部(くれはとり),川(河)内国広絹織人が掌握されていた。…

【部民】より

…部は〈ベ〉とも〈トモ〉ともよむ。日本では大化改新以前に,朝廷あるいは天皇・后妃・皇子・豪族などに隷属し,労役を提供し,また生産物を貢納した人々の集団をいう。部は,中国・朝鮮などにもひろく存在した社会制度で,日本の部の制度も,それらの影響下に成立したと思われる。中国では漢・魏から唐代にかけて,豪族のもとに部曲(ぶきよく)とよばれる集団が隷属し,その内容も軍伍→私兵→私賤というように変化したが,奴婢よりは上位の身分とされた。…

※「錦部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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