鎌ヶ谷(市)(読み)かまがや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鎌ヶ谷(市)」の意味・わかりやすい解説

鎌ヶ谷(市)
かまがや

千葉県北西部、下総台地(しもうさだいち)にある市。1971年(昭和46)市制施行。周囲を山に囲まれ、一方が竈(かまど)のように開いた土地との意味をもつ地名であるといわれ、広い台地と小さな谷津(やつ)田が入り込む地形をなす。国道464号が通じ、東武鉄道野田線と新京成電鉄が走り、1991年(平成3)千葉ニュータウンへの北総鉄道も全線開通して交通の便はよく、住宅地開発が進展している。縄文時代の中沢貝塚があり、中世相馬(そうま)氏の佐津間(さつま)城跡がある。江戸時代には本多氏の領地天領になり、8代将軍徳川吉宗(よしむね)のときに小金五牧(こがねごまき)のうち中野牧が置かれ、野馬の放牧鷹狩(たかがり)が行われた。南部の鎌ヶ谷地区は木下(きおろし)街道の宿場町であったが、明治以後中野牧の開拓が始まり最初の入植地初富(はつとみ)など新しい集落が生まれた。台地上はネギ、ホウレンソウなど近郊農業が盛んで、ナシの特産地でもあり観光農園が多い。江戸中期作の鎌ヶ谷大仏がある。面積21.08平方キロメートル、人口10万9932(2020)。

[山村順次]

『『鎌ヶ谷市(町)史資料集1~10』(1965~1976・鎌ヶ谷市)』『村崎勇著『鎌ヶ谷の歴史』(1975・崙書房)』『『鎌ヶ谷市史 上』(1982・鎌ヶ谷市)』


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